「鈴木三河屋頒布会」を味わう
酒購入でいつもお世話になっている赤坂の酒屋「鈴木三河屋」。
ここの頒布会を3年ぐらい取り続けている。
今回はその昨年末分と今年分のうち4本を呑み比べしてみた。
ただし「飛露喜」と「而今」は引き続きそのまま保存。
貧乏性ゆえ希少な酒はなんとなく取っておきたい。
鈴木三河屋の公式コメントは以下の通り。
【11月】
飛露喜 純米大吟醸(廣木酒造本店 福島県坂下町)
人生に寄り添う酒でありたい。その想いがこのお酒に込められています。上品なまろやかさと奥行きの広い味わい、バランス感覚の優れた純米大吟醸です。紀土 純米酒 あがらの田で育てた山田錦 低精米80% 27BY(平和酒造 和歌山県海南市)
100%和歌山県産山田錦を使用した、「あがらの(私たちの)」お酒です。米の旨みをじっくりと味わって頂けるよう、口当たりはなめらか、口に含むと味が広がる純米酒です。
【12月】
而今 特別純米 無濾過生原酒(木屋正酒造 三重県名張市)
今年の夏は、麹室を直して、より精度の高い麹を造り、さらに美味しいお酒になることが間違いなしです。フレッシュな新酒をご用意いたします。若波 純米吟醸 あらばしり生酒 鈴木三河屋SP(若波酒造 福岡県大川市)
より良いお酒のためならと、造りの時期を2か月遅らせて、蔵の中を大改築しました。今回、三河屋のためにあらばしりの部分を特別に詰めて頂く予定です。
まずは「若波」と「紀土」の2本をじっくり味わった。
今回SP仕様は「若波」のみ。ただし鈴木三河屋のロゴが若波仕様の特別なステッカーになっていることから気合いの高さが伺える。
味はさすが新酒生酒のあらばしり。フレッシュ感満載。
甘味、酸味、旨味、苦味、渋味全ての存在を感じながら絶妙なバランスを保っていてポテンシャルの高さが分かる。
「紀土」はドメーヌ海南の低精米バージョン。米から酒までを全て自分たちの手で作るといった渾身の一作。
低精米ならではの米の存在感を存分に味わえる。
全周ラベルにはこの酒が誕生するまでの軌跡が写真で綴られている。
これを眺めながらチビチビやるのが好きである。
米から酒までまるで我が子のように大切に育てられた酒を一滴も残らず堪能。
今年1月分は愛知銘酒「白老 特別純米」と福島銘酒「穏(おだやか)純米吟醸」。
公式コメントは以下。
白老(はくろう) 若水 特別純米 槽場直汲み 生原酒 鈴木三河屋SP ( 澤田酒造 愛知県常滑市 )
新規取扱銘柄です。地元の酒米「若水」を使った、うまみのある新酒です。
金寶 穏(おだやか) 純米吟醸 直汲み 鈴木三河屋SP ( 仁井田本家 福島県郡山市 )
ワイン評論家ロバート・パーカー氏主宰のワイン情報誌「ワイン・アドヴォケイト」が91点つけたお酒です。白麹で仕込んだお酒はクエン酸の効果で、爽やかな味わいがあります。
それぞれをじっくり味わう。
鈴木三河屋で昨年から取り扱いを始めた「白老」。
古式伝承の酒造りにこだわる酒蔵が地元の酒米「若水」を使って醸した酒。
最初は結構すっきりした
直汲無濾過生原酒らしい旨味がしっかりのった味わいながらもスッとキレあり。
普通にそのまま呑んでも旨いが温めると化ける。温めた方が俺は断然好み。
フルーティーで濃厚な味わいが口いっぱいに広がりこの酒のポテンシャルをフルに味わえる。
口開け2日後ぐらいまでは断然燗が良かった。
いぶし銀の味わいに酔いしれた。
自然酒にこだわる日本酒界のパイオニア「金寶」。
白糀酒母で醸したのが「穏(おだやか)純米吟醸」。
その新酒を生のまま無濾過瓶詰めした鈴木三河屋SP版。
爽やかなガス感がアクセントの新酒。穏やかで軽やかな味わい。
こちらも冷燗どちらでも試したがやはり冷酒でいただくのが旨い。
自分の好みを追い求めるのもいいが、予期せぬ出会いもまた一興。
またいい酒を知ることができた。